あれはまだ、小学生の頃のお話しです。楽しみにしていた映画を観終わり、そろそろ寝ようと階段のドアを開けたら、「カサカサ」黒く素早く動く物体が…そうです。奴がそこにいたんです。まるで人を待ち伏せしていたかのように!!
押入れ隅に片付けてあった殺虫剤を取り出し、奴との勝負です。軽く缶を振り、殺虫剤を「プシュー」手応え有りです。完全に奴に命中しました。苦し紛れに、激しく動き回り始めたので、階段のドアを閉め、しばらく敵の出方を見ることにしました。「カサカサ…」奴がまだ動き回っている。10分程度時間を置き、階段のドアの前で聞き耳を立て、奴の動きを探ります…全く音がしない。
意を決して、ドアを開けたその瞬間「ブーン」という音と共に、嫌な予感がし、身を伏せたその時です。奴が頭上を横切って行きました。ドアを閉め、階段を駆け上がり、部屋に駆け込みました。奴は追って来ていないようです。ドアをしっかり締めると、安心したせいか、深い眠り落ちていました…気付いたらもう朝でした。朝1番に起きたという父に、奴が居たかを確認したところ…階段のドア付近で絶命していたとのことでした。
あの日以来、以前にもまして、奴のことが大嫌いになりました。1度だけでなく、2度も人を待ち伏せていたかのような非道な手口、そして人に向かって飛んで来るなんて…
0コメント