クリスマスイブ 〜幼き日の想い出〜

今年も、またクリスマスがやって来ます。そんな時に思い出すのは幼き日のクリスマスイブの出来事です。その日は、前日の夜から遠くの親戚のお家にお泊りしていました。朝起きると親戚のお兄ちゃんが「おいしい食べ物を教えてあげるよ!!」と、千枚通しを片手に鶏小屋に連れて行ってくれました。

養鶏場ではなく、家族で食べる分のたまごが採れるように、数匹のニワトリを飼っていました。ニワトリ達は、人が入ってきても騒がずに餌を食べていました。お兄ちゃんは、タマゴを手に取り千枚通しで小さな穴を開けました。少し、千枚通しを上下させ、今度は穴を押さえて軽くタマゴを振りました。そして小さな穴に口をつけて強く吸ってタマゴを食べました。

千枚通しを手渡し「やってみ!!」まだ、ほんのり温かいタマゴを手に取り、見よう見真似でお兄ちゃんのやったことをやってみました。「おっ、おいしい!!」何の味付けもしていないタマゴがこんなにおいしいなんてと想ったことを今でも憶えています。それから、2人でタマゴをいくつも食べました。気が付けばタマゴを全て食べて尽くしていました。じゃあ今度はということで、タマゴの殻はそのままにして川に魚を採りに行きました…


魚を数匹、バケツに入れて帰ってくると…鶏小屋の前に大人が集まって何やら揉めていました。あまり気にも留めず採った魚の自慢をしようとした時です。「あんた達、ニワトリ達が騒いだりしてなかった?」どうしてそんなことを訊くんだろうとは想ったものの、「騒いでなかったよ!!」と返事しました。「おかしいね、動物が小屋に入ったんならニワトリ達も騒ぐだろうし、ケガもしていないなんて。」「ヘビかしら?」一体なんのことなんだろう…「朝ごはんに、おいしいタマゴをと想ったんだけど、小さな穴が空いていてタマゴが空っぽなのよ。」………

しばらく間を置いて、親戚のお兄ちゃんと2人でやったことを告白しました。大人達は、ゲラゲラ笑って許してくれました。朝ごはんはお前達が採ってきた魚にしよう。

これが、とっても美味しくて、ちょっと恥ずかしかった幼い頃のクリスマスイブの想い出です。産みたてタマゴ、本当に美味しかったです。


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